紫外線、と言えば真っ先思い浮かぶのは「お肌の大敵」というイメージですが、「紫外線」ってそもそもなんでしょう?
「紫外線」とは太陽光の中でも、人間の目では見ることの出来ない波長の光を言います。しかし、この「紫外線」を見ることのできる人がいるって知ってましたか?
それはどんな人には見えるのでしょうか?そして紫外線の色ってどんな色に見えるのでしょう?
紫外線が見える人がいる⁉
紫外線が見えるはどういうことか?それを知るためには、まず私たち人間がどのように色を見分けているのか、ということからご紹介していきます。
「光の三原色」というのをご存知でしょうか?
光の三原色とは「赤・緑・青」の三色からなる、「光の色」の基本となるものです。この三色が様々な比率で混ざりあい、「色」として認識します。
光でないもの(=物体)の色は、対象となる物体が光を反射し、それを人間は「物体の色」として認識しています。
そしてこの光の三原色(赤・緑・青)に基づいて色を認識することを「三色型色覚」といいます。大半の人間はこの「三色型色覚」で色を判別しています。
「紫外線が見える人」というのは、光の三原色(赤・緑・青)に加えて「近紫外線」という要素が加わります。このような色覚を「四色型色覚」といいます。
これは認識する色の要素が、三色から「赤・緑・青・近紫外線」の四色になる、という単純なものではなく、あらゆる色に「紫外線の量」という要素が加わることになります。
たとえばリンゴを屋内の蛍光灯の光で見た時と屋外の太陽光で見た時に、「三色型色覚」の大半の人は同じ色にみえますが、「四色型色覚」を持つ人には、少し違う色に見えます。
これは蛍光灯と太陽光では光の中に含まれる「紫外線の量」が異なるため色が違って見える、ということです。
紫外線が見える動物にはどんな動物がいるの?
「紫外線が見える」ということは人間にとっては稀なことですが、他の生き物では珍しいことではありません。
昆虫や鳥類は紫外線を見ることができるものが多いようです。
モンシロチョウやツバメなどは、オスとメスで紫外線の反射率が異なり繁殖相手を区別しているようです。
ミツバチは赤や黄色は見えませんが、紫外線を見ることができます。
紫外線を見ることが出来る生き物たちは私たち人間とは、見え方が全く違います。
写真家の Craig Burrowsさんは植物に紫外線をあて、紫外線を捉えることのできる特殊なレンズで植物を撮影しました。
昆虫たちの見ている美しい世界を少しだけ見ることができます。ぜひ見てみてください。
同じ世界、でも見え方は様々
これまで「お肌の大敵」というイメージが強かった紫外線ですが、紫外線の見える人や生き物たちにとってはそれだけではないのかもしれませんね。
また紫外線だけでなく赤外線も人間には見ることのできない光ですが、爬虫類などは赤外線をみる(感じとる)ことができるそうです。
普段何気なく見ている景色や物も、もしかしたら他の人や生き物には全く違う色に見えているのかもしれない、そんな風に考えるとなんだか面白いですね。