お昼のひとときに紙コップで販売しているコーヒーを飲むのが毎日の楽しみだったりします。
いつもご飯を食べる前に買って、少し冷めてから飲むので30分ぐらいコーヒーが入ったまま置いておくのですが、紙でできているのに、コーヒーが漏れ出すということがありませんよね。
しっかり出来ているんだなぁと思ったら、内側に防水用のコーティングがされているんですね!
コーヒーは自販機の温度を見ると92℃と表示されていますが、かなり熱湯ですよね!内側のコーティングには影響がないのでしょうか?
それにもし溶け出すなんてことがあったら、体には害がないのでしょうか?
そこで今回紙コップの内側のコーティングについて防水の仕組みと耐熱温度について調べてみました。
知っていれば無駄に心配しなくて済むので、参考になればと思います。
紙コップの防水の仕組みは?
紙コップの内側には水が漏れ出さないようにポリエチレンという素材で薄くラミネート加工されています。
ポリエチレンといえばスーパーなどでよく水っぽいものを入れるために自由にもらえる袋の素材でもあります。
このポリエチレンとはどんなものか簡単に説明していきますね。
ポリエチレンとは
ポリエチレンの製造過程は、まず原油からナフサというガソリンに似た液体を取り出します。このナフサを加熱して温度差でいくつかの気体に分け、そのうちの1つがエチレンです。
このエチレンは気体の状態なので、同じエチレン分子をたくさん合体させることでポリエチレンという固体ができます。
ポリエチレンは加工しやすくしかも原料価格が安価で、ポリ袋や食品チューブのような軟らかいものから、バケツや灯油タンクのような硬いものなど多くの製品に加工されています。
その他にも、「プチプチ」で知られる緩衝材、タッパーの蓋、シャンプー・リンスの容器、ブルーシ-トなどもポリエチレン製です。
このポリエチレンの特徴に水に強く防水性や防湿性に優れているという点があり、紙コップの内側のコーティングにも使われているというわけです。
それではそのポリエチレンは熱さに対してはどうなんでしょうか?90℃以上の熱湯に直接当たっていても本当に大丈夫なのでしょうか?
そこが気になるところですよね!?
ポリエチレンの耐熱温度の限界は110℃
実はポリエチレンは耐熱性はあまり良いほうではなく、110℃ぐらいの温度で溶け出してしまいます。
なので紙コップの中身の温度が110℃近くやそれを越える可能性がある場合は、紙コップの使用は避けた方がいいわけなんです。
ただポリエチレンは炭素と水素のみでできているので、体には害はなく、摂取してしまっても排泄されるので安心です。
それに燃えても二酸化炭素と水になり、有毒ガスなどが発生しません。
92℃位の熱湯でも全然問題ないってことですね。安心しました。
ということで自販機のコーヒーには問題ないということがわかりました。
でもこの紙コップを電子レンジやオーブンで使うのは避けた方がよさそうですね。
よく紙コップで料理を温めたり、ケーキを作ったりする人もいるようです。ネットでもケーキのレシピを見かけます。
ですがオーブンはもちろん電子レンジも加熱時間によって、紙コップの中の温度が110℃を超える可能性がとても高いといえます。
体には害はないとはいえ、食品にポリエチレンがくっついてしまったら、あまり食べたくはないですよね。
それにオーブンやオーブントースターの場合は180~200℃という高い温度になるので、紙で出来ている紙コップは燃えてしまってもおかしくありません。
それはとても危険な行為だと思います。
注意書きにも電子レンジやオーブン、オーブントースターでの紙コップの使用はしないようにと書かれてあります。
紙コップは使い勝手がいいから、ついついいろいろに使いたくなってしまうんですね。
ところで最近紙コップの表面がボコボコとして凹凸があるカップをよく目にします。
あの紙コップは通常のものに比べ、断熱性に優れているので、持ったときに熱い飲み物でも熱くないという優れものです。
この断熱紙コップは普通の紙コップと比べて何が違うのでしょうか?
断熱カップの4つのメリット
普通の紙コップは防水のため内側にポリエチレンでラミネートが貼られているものが多いです。
食品紙容器メーカーのデキシーが開発した断熱紙コップの『断熱カップ』は外側もポリエチレン加工されていて、そのポリエチレンを発泡させることで断熱性をもたせました。
その結果
- 持っても熱くない
- 滑らず持ちやすい
- 丈夫
- きれいに印刷できる
といった熱さ対策以外のメリットも生まれました。
それに熱さが伝わらないということは、冷たい飲みでも冷たさが伝わらないので結露しにくいというのももう1つのメリットになりますね。
冷たい飲み物を紙コップに入れると、外側が結露して紙コップがフニャフニャになってきてしまいますよね。
この断熱カップだとその心配もないのです。
もし断熱紙コップが必要な場合は、楽天市場にも様々な商品があります。いろいろあるので、気に入ったものが見つかるかも知れませんよ。
⇒楽天市場 断熱紙コップ
あの持ったときのボコボコ感は不思議な感触ですが、滑らなくて持ちやすくしっかりしていて、また可愛い印刷が施されているので、使い捨てるのが勿体ないと感じてしまいます。
何気なく使っている紙コップも進化したいるんだなぁと関心しました。
まとめ
紙コップの内側は、防水のためポリエチレンでラミネート加工されています。
ポリエチレンは原油からとれるナフサが原料となり、私たちの身近な様々な製品に加工されています。
ポリエチレンは炭素と水素からできていて、体にも無害で、燃やしても有毒ガスなどを発生させません。
その耐熱温度は110℃です。なので110℃を超えて高い温度に加熱してしまうと溶け出してしまいます。
電子レンジやオーブン、オーブントースターでの使用は避けた方がいいですね。最悪紙コップが燃えてしまう可能性もありえます。
いかがでしたか?紙コップひとつにもさまざまな工夫がされているんですね。
これからは紙コップの中身だけでなく、紙コップ自体にも思いを馳せながらコーヒーを楽しみたいと思います。