料理や食品にラップをしてレンジにかけるとき、ラップが溶けたり縮んだりして穴が開いていることってありませんか?
そんなときは溶けたラップが料理に入ってしまったのではないかと心配になりますよね。
実はラップの素材はプラスチックに分類されます。
たとえ食品用につくられたものであっても、やはり素材はプラスチック、食べて体に良いわけありません。
もし溶けたラップが料理に混じって食べてしまったとしたら、体にどんな影響があるのでしょうか?
それにラップが溶けて料理などに混ざらないためにも、いつもやっているラップのかけ方は間違っていないのでしょうか?
ラップはとても便利なものです。正しく使って上手に活用していくことが必要です。
今回ラップの体への影響や正しい使い方についてと、もしラップが溶けてレンジにこびりついてしまったときの対処法などもまとめてみました。
ぜひ参考にしてみてください。
Contents
もしラップが溶けてしまったら
私もレンジで食品を温めると、時々ラップが縮こまって穴が開いていることがあります。でもあんまり考えずにラップは取り除き、そのまま食べていました。
ですがよく考えたらラップが溶けて食品に入っていたかもしれないってことですよね!そう思うとあまりいい気はしませんね。
溶けたラップを食べても大丈夫?
私たちの体はプラスチックを消化することができないのだそうです。なので胃酸で溶けることはないく、吸収されずに排泄されます。
ラップもプラスチック製品なので同じことがいえます。
ラップにはいくつか種類があり、耐熱温度も違い、構成している物質も多少なり違ってきます。だとすると中には特に体に良くないものがあるのではないかという気もします。
ラップはもともとの原材料のほかに製品向上のため添加剤が加えられています。
その原材料と添加剤についてもう少し詳しく見ていきましょう。
原材料
ラップには塩素が素材に含まれている塩素系と含まれていない非塩素系があります。
塩素系のラップの原材料は、石油からとれるエチレンと塩からとれる塩素です。
種類
- 塩化ビニルデン(サランラップやクレラップ)
- 塩化ビニル(ダイアラップ)
この素材のラップはダイオキシン問題などがよく言われます。ダイオキシンは250℃~400℃位の不完全燃焼時に発生します。
レンジで食品を温めるとき、油分が強いものだと温度がかなり上がって、ラップの耐熱温度を簡単に超えてしまいます。
温度はどのぐらい上がっているのかわからないですが、油は300℃まで上がると発火するというので、ダイオキシン発生温度まで上がる可能性があるということになりますよね。
でもそこまで温度が上がったら食品は焦げてしまうので、そうなるまで加熱する人はあまりいないと思いますが...。
ダイオキシンは環境ホルモンの一種で、私たちの体内の重要な働きをするホルモンを乱す原因物質のひとつです。
一時期はダイオキシンのことが大きな問題になりましたが、現在では焼却炉が改善されたことなどにより、ダイオキシンの発生はかなり減少しました。
非塩素系のラップの原材料は石油です。
種類
- ポリエチレン(Newポリラップ)
- ポリメタルペンテン(リケンのフォーラップ)
この素材のラップは炭素と水素からできているので、燃やしても二酸化炭素と水になり無害です。
添加剤
ラップが作られるとき、より良い製品とするために可塑剤(かそざい)という添加薬品類が加えられています。
素材を柔らかくするための柔軟剤や製品の特性を改善し劣化を防ぐための安定剤が主なものです。
それぞれのラップの耐熱、耐冷温度とともに添加剤について表にまとめてみました。
種 類 | 耐熱温度 (耐冷) | 添 加 剤 |
ポリ塩化ビニルデン(塩素系) | 140℃ (-60℃) | 脂肪酸誘導体(柔軟剤) エボキシ化植物油(安定剤) |
ポリ塩化ビニル(塩素系) | 130℃ (-60℃) | 脂肪族多塩基酸エステル(柔軟剤) エポキシ化植物油(安定剤) カルシウム化合物(安定剤) |
ポリエチレン(非塩素系) 無添加ポリエチレン(非塩素系) | 110℃ (-60℃) | 脂肪酸エステル(柔軟剤) 無添加は添加剤なし |
ポリメチルペンテン(非塩素系) | 180℃ (-30℃) |
これらの添加剤が妊娠中の胎児に影響があることや、がん細胞を増殖させるなど体に悪い影響があることがいわれています。
はっきりとしたことはわかっていませんが安全性が確認されたわけではありません。
可塑剤は水に溶けにくく、油に溶けやすい性質です。油を含む食品やアルコールが含まれているもの、また熱いものは避けたほうがいいということです。
ラップが溶けるということは、この怪しげな可塑剤も溶け出して食品に混じっているということになりますので、耐熱温度や正しい使い方はしっかり守った方がいいですね。
そうはいっても過度に気にする必要はないかもしれませんが、中でもポリエチレン製の『無添加ポリエチレン』ラップが一番安全性が高いといわれています。
ポリエチレンは炭素と水素のみでできているため無害で、その上添加剤が含まれていないので、安全性が特に気になる人にはお勧めです。
ただポリエチレンラップは耐熱温度が一番低いので、レンジに使うときはラップのかけ方の注意点を十分考慮して使うことをおすすめします。
無害とはいえラップが溶けてせっかくの料理が台無しに、なんてことにもなりかねません。
レンジでラップが溶けてしまった場合、被害は料理だけでなく、レンジの中やターンテーブルにラップがこびりついて取れなくなってしまうことなどもあると思います。
なので次にそのようなときの対処法についてまとめてみました。
こびりついたラップの取り方
溶けたラップがレンジにこびりついてとれなくなってしまったら、後始末が大変ですよね。
そこでレンジ内のこびりついたラップの除去方法についていくつかの対策を解説していきます。
- バターをぬって加熱すると、ラップがバターに溶けて混ざるので、少し冷めてからふき取る
- 重曹を溶いた水をペーパータオルに含ませ焦げたところにかぶせ、レンジを軽く温めて硬めのスポンジでこする
- レンジのターンテーブルにラップがこびりついてしまったら、お湯にしばらく浸してから硬めのスポンジで洗い落とす(*あまりゴシゴシ洗うと傷つく)
そうなってしまったときは試してみてください。
それでは最後にラップをかけるときの注意点について見ていきましょう。
またラップが必要な場合とそうでない場合についても簡単にまとめてみました。
ラップのかけ方
ラップの原材料にはいくつか種類があり、それぞれ耐熱温度も違います。その耐熱温度を超えると、当然溶けていしまいますよね。
でもそのラップの種類の中で一番耐熱温度が低いのは、ポリエチレンという素材で耐熱温度は110℃です。
電子レンジの仕組みは食品に含まれる水分子をマイクロ波という電磁波で振動させ、その摩擦熱で熱くすると言われています。
ということは水は沸点が100℃なので、耐熱温度が110℃あれば大丈夫なのかと思ったらそうではないんですね!
ラップの耐熱温度に関わらず、食品にはラップが触れないようにかけることが一番のコツです。
油分の多いものを温めるときは要注意!
特に油分の多いものを温めるときは、油は沸点が高いため高温になりやすく、ラップの耐熱温度を簡単に超えてラップが溶けてしまうのです。
なのでラップをかけるときの注意点として
- 深めの器を利用して食品にラップが触れないようにする
- ラップはふんわりゆるめにかけ、ようじで穴をあける
が上げられます。
耐熱温度が高いラップであっても、油分を含んでいるとそれを超えてに高い温度になりやすいので、上記の注意点は必ず守りましょう。
ラップの必要性
レンジで食品を温めるとき、ラップが必要な場合とそうでない場合がありますよね。
それはどんなときでしょうか?
【ラップが必要】
- 食品中の水分や風味を逃さない
- 加熱時間の短縮(ラップをすると器の中の熱が逃げずに、効率よく加熱できる)
- レンジ内をきれいに保つため(ラップにより食品の飛び散りや匂い移りを防ぐ)
【ラップがいらない】
- 水分を飛ばしてカラッとさせたいもの(天ぷらなど…)
- 液体はラップしない
ということです。
まとめ
食品をレンジで温めたとき、溶けて付着したラップをもし食べてしまってたとしても、ラップは胃の中で消化できないので、吸収されることなく排泄されます。
ですがラップにはその原材料のほかに様々な添加剤が加えられています。その添加剤は安全性が確認されているわけではありません。
ラップが溶けないよう正しくかけることや、耐熱温度が低いものや添加剤を多く含むラップは、油分の多いものを温めるのに特に使わないなど使い分けてみるといいですね。
あまり意識したことがなかったですが、ラップにはいろいろな種類があり、耐熱温度がみんな違うんですね。
それにレンジで使うときラップをかける場合、食品になるべく触れないようにかけるということは全く知りませんでした。
油分の多いものは特にラップが溶ける危険があることも初めて知りました。本当に無頓着でした。
強いて言うなら、サランラップやクレラップは高いから良いラップぐらいにしか思っていませんでした。
これからはラップを正しく使うことはもちろん、なるべくなら無添加で無害なラップを主に使うようにしようと思いました。