私は小学生のころ、「心臓に何かある!」と学校の健康診断に引っかかり、精密検査を受けたことがあります。
結果は異常がなくてよかったのですが、その後20歳ころから健康診断のたびに「心臓に雑音がある」と言われるようになりました。
心臓に雑音!?と聞くと驚きますよね。
特に病気ということではなかったので、「心臓に毛が生えているのかな?」とか冗談を言ったものです。
「心雑音」は私にとっては聞きなれた言葉ですが、でもいったいなぜ心臓に雑音があるのか、その理由はよく知りません。
なので今回心雑音の仕組みについてまとめてみましたので、参考にしてみてください。
心雑音とは
心音の間に通常は聞こえないヒューヒューやザー、シャーといった音のことをいいます。
心雑音には、特に異常の無い場合もありますが、心臓の病気の他に心臓とは別の病気が原因の場合があります。
心臓は血液を全身に送るため、収縮と拡張を繰り返し、ポンプのような働きをしています。
毎日毎日24時間、全く休むことなく心臓はがんばってくれているんですね!
そして心音には主に通常聞こえるⅠ音とⅡ音があります。
Ⅰ音は心臓が収縮して血液を全身に送りだす時に聞こえる音です。
Ⅱ音は心臓から血液が送りだされ、収縮し終わりのとき、動脈への出口にある動脈弁が閉じたときの音です。
その他に通常は聞こえないⅢ音とⅣ音があります。
これは心臓が拡張するときに聞こえることがある過剰心音という、心雑音とはまた別の音のことです。
この過剰心音もまた、心雑音同様、異常のない場合と何かしらの異常が原因で起きている場合があるといいます。
心臓のちょっとした異常音から、身体の異常がわかったりするんですね!
心雑音の原因
では、その心雑音の具体的な原因はどんなことなのでしょうか。
まず、心臓には部屋が4つあります。
その4つの部屋の出口の働きをしているのが弁です。
それぞれの部屋に1つづつついています。
血液がこの弁を通るときに、何らかの原因によって、心雑音が聞こえることがあります。
異常な心雑音は、先天的に心臓が奇形だったり、年齢によって弁が硬くなるなど、弁の異常により現れます。
自覚症状がないことも多いですが、早めに検査することが必要です。
そして、心雑音には、心臓の異常が原因ではない場合もあります。
赤ちゃんから10代の若い人や、また高齢者の中には、血液の流れが速いことや、心臓や肺を取り囲む骨格や筋肉が薄いということがあります。
このため生理的心雑音という、心臓に特に問題がなくても、聞こえる心雑音があります。
また、心臓には異常が無くても、心雑音の原因が治療を要する場合があります。
それは、貧血や甲状腺機能亢進症、発熱などによる心雑音です。
貧血の人の血液は、赤血球が少ないため、酸素を運ぶ能力が足りません。
それを補うために、心臓ががんばって早く動く必要が出てきます。
そのために心雑音が生じてしまします。
そして心臓には大きな負担がかかってしまいます。
心臓に負担をかけ続けることは、将来的に心不全の原因につながりかねません。
そのためにも、貧血対策はすぐにでも行うことが大切です。
甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンをが過剰になり、心臓をたかぶらせます。
そして、心臓の収縮力が高くなり、結果的に心雑音の原因になります。
心雑音は、自覚症状がないことが多く、健康診断のときなどに、医師から指摘されて、初めて知ることが多いといいます。
治療の必要のない心雑音もありますが、自分で安易に判断せずに、まずは一度検査を受けてみて、自分の心臓の状態を知ることが必要です。