レシピとは違う分量でパンを作りたいとき、ベーカーズパーセントが役に立ちますよね。
私も以前は時々ホームベーカリーでパンを作っていましたが、中途半端に粉が残ったままパン作りをしなくなってしまい、結局無駄にしてしまいました…。
ベーカーズパーセントは粉の分量を100%としてその他の材料の分量の%を計算する方法です。
この計算方法を知っていたら、粉をしっかり使い切ってしまえたかもしれないので、本当にもったいないことをしてしまいまいました。
これで材料が分量より足りなかったり、少し多くなってしまったりしても、もう他の材料はどれぐらいしたらいいか悩まなくてもいいですよね。
この計算方法をマスターして私ももう一度パン作りに挑戦してみようかなと思います。
今回このベーカーズパーセントの計算方法についてまとめてみましたので、参考にしてみてください。
Contents
ベーカーズパーセントとは?
ベーカーズパーセントは生地に使う粉の量を100%として、その他の材料が粉に対して何%かを数字で表したものです。つまりは配合率のことですね。
なのでレシピと違う分量でパン作りをするときに、このベーカーズパーセントを使って計算して出すことができます。
その計算方法を早速見ていきましょう。
ベーカーズパーセントの計算方法
ではまずこのレシピのベーカーズパーセントの計算をしてみましょう。
材 料 | 分量 | ベーカーズパーセント |
強力粉 | 290g | 100% |
ドライイースト | 3g | |
食塩 | 5g | |
砂糖 | 16g | |
水 | 210g |
粉が基準となるので、粉のベーカーズパーセントは100%となります。
なので
粉 : 材料 = 100 : 知りたい材料のベーカーズパーセント
つまりは
知りたい材料のベーカーズパーセント = 材料 × 100 ÷ 粉
ということになります。
でもこの計算式ちょっと頭がこんがらがりますね…
そこでもっと覚えやすい簡単な計算方法は、
粉290g÷100 =2.9 と粉の量をまず100で割ります。
この答えとなる2.9で、今度はそれぞれの分量を割ると、ベーカーズパーセントが出ます。
材 料 | 分量 | ベーカーズパーセント |
強力粉 | 290g | 100% |
ドライイースト | 3g | 約1% |
食塩 | 5g | 1.7% |
砂糖 | 16g | 5.5% |
水 | 210g | 72.4% |
となるわけです。
今度はこのパンの粉の分量を350gに変えて他の材料を計算して出してみましょう。
まずは350÷100=3.5
この3.5をそれぞれのベーカーズパーセントに掛け算していきます。
材 料 | 計算式と分量 | ベーカーズパーセント |
ドライイースト | 3.5×1%=3.5g | 1% |
食塩 | 3.5×1.7%=5.95g | 1.7% |
砂糖 | 3.5×5.5%=19.25g | 5.5% |
水 | 3.5×72.4%=253.4g | 72.4% |
これで分量が違うけれど、同じ配合率でのパン作りができます。
このパンは卵や牛乳アレルギーがあっても食べられるよう、実際のレシピからスキムミルクとバターを抜いて作ったのですが、もともとはバターやスキムミルクが入っていました。
これらの材料も同じように計算して出します。
因みにベーカーズパーセントのアプリがあるので、自分で計算しなくてもアプリが代わりにやってくれます。これならもっと簡単ですね!
パン作りにぜひ役立ててみてくださいね。
ところでベーカーズパーセントで分量を変えたのはいいけれど、発酵時間や焼き時間はどうすればいいのでしょうか?
分量を変えたら、発酵時間や焼き時間も変わる?
分量が2倍になっても発酵時間も2倍ということにはなりません。
一次発酵のとき、生地が2倍くらいに膨らんだら、フィンガーテストで発酵の進み具合を確認してみましょう。
人差し指に強力粉をつけて第2関節ぐらいまでゆっくり生地を突き刺してみます。
穴がくぼんだまま戻らなければ発酵が完了、穴が閉じてしまったら発酵不足ということで判断することができます。
一方焼き時間についてですが、パンの焼減率を目安に焼き上げるといいのだそうです。
この焼減率とはパンの中の水分が、焼いている間に蒸発してしまう割合のことです。
焼減率が低いと残った水分が多い重いパンになってしまい、逆に高すぎると水分が少ないパサパサのパンになってしまうということです。
焼減率を出す計算方法は
生地の重さ - 焼き上げ後の重さ ÷ 生地の重さ × 100
という式になります。
重さを測るときは、タイミングがとても大事なのだそうです。
詳しくは「焼減率とは?パンを焼くときの目安になる!」でまとめてみましたので、参考にしてみてくださいね。
美味しいパンにはいろいろな条件が必要なんですね。パン作りって奥が深いですね。
でも最初は難しいことは抜きにして、先輩方のレシピを参考にして、少し変化をつけるなどいろいろ挑戦してみるといですね。
そしてベーカーズパーセントがわかってきたらどんなメリットがあるのでしょうか?
ベーカーズパーセントのメリット
プロはベーカーズパーセントを見るだけで、美味しいパンかどうかがわかってしまうのだそうです。
その秘密を知れば、プロでない私たちでも美味しいパンが見分けられるということなのでしょうか。
またそのほかにもベカーズパーセントを知っていることのメリットは何かあるのでしょうか。
美味しいパンを見分けるポイント
美味しいパンのポイントは
- イーストの量
- 水分の量
なのだそうです。
イーストの量
イーストの量は少なく長い時間をかけて発酵させるほうが、香りのよい美味しいパンができると言われています。
イーストの量による発酵時間の違いは、パンの風味に大きく影響します。ですがこれはどんなパンを作るかによっても違ってきます。
実際イーストの量を少なく抑えた美味しいパンのレシピもあれば、逆に多く配合しているレシピもあるのだそうです。
それでもイーストの量が2%を超えると、発酵が早く進み生地は熟成されなかったり、イースト臭が残ってしまったり、美味しいパンにならないことがあります。
まずはイーストの量は1.5%位を目安にしてみましょう。
水分の量
粉に対して水分の総量が70%前後が、美味しいパン生地であることが多くなります。
水分が少ないと焼きあがりはパサパサになってしまいがちです。ですが多すぎると生地をこねるのが大変なので、65%~72%を目安にするといいようです。
プロのようにベーカーズパーセントを見ただけで美味しいパンかどうかわかるまでには、パン作りの経験をたくさん積むことが必要ですね。
ですがイーストや水分のだいたいの適正量を知っていると、パン作りのレシピを選ぶときの参考になりますね。
ケーキ作りなどでも使える
ベーカーズパーセントは普通の%と違って全材料の合計が100以上となります。通常パンの場合、170~200%位が目安です。
これはケーキの場合にも使うことができ、この場合は300〜500%位になるようです。
粉の総量に対して他の材料の配合率が何%かということなので、パン作りだけでなくいろいろに使えそうですね。
まとめ
ベーカーズパーセントは生地に使う粉の量を100%として、その他の材料が粉に対して何%かを数字で表したものです。
この計算方法を知っていると、材料を無駄なく使うことができたり、レシピを自分好みに変化させてみたり、レシピとは違う分量でパンを作ることができるようになります。
最近はパン作りをしていませんでしたが、ベーカーズパーセントのことを知ってまたやってみたくなってきました。
いろいろなレシピを見て、どんなパンができるか想像しながら選んでみるのも楽しそうです。
それにベーカーズパーセントで計算して、レシピの配合を少し変えてみたり、いろいろできるようになりたいですね。